おもちゃを買ってあげて、子どもの喜ぶ姿を見ることは、とても嬉しい瞬間です。子どもの仕事は遊ぶこと、心の栄養である遊びを充実させてくれるおもちゃは、子どもたちの生活の中心でもあります。
しかし、アメリカの研究グループの調べによりますと、1990年から2011年にかけて、おもちゃによるケガのため救急外来を受診した18歳未満の子供は330万人弱。年間平均で約15万人。子ども1万人当たりが年間にけがをする割合は、1990年から2011年で40%も増加しているとのことで、注目は、けがの人数と割合のピークは2歳。内60%強は男の子。けがの80%は自宅で発生している点です。
せっかくの楽しい時間を、ケガや誤飲などの事故で台無しにすることの無いよう、子どもが見抜けない危険を回避するおもちゃ選びをすることも、ますます必要になってくるのではないでしょうか。
おもちゃの箱に付いているいろんなマーク。それが子ども達が安心して遊べるおもちゃ選びのひとつの目印になります。
■日本の安全基準マーク「ST」について
STマークとは、Safety.Toy(セーフティ・トイ)の略。玩具業界により、販売されるおもちゃの安全性を高めることを目的に、昭和46年(1971年)に創設された基準制度。
ST基準は、玩具の安全基準で、機械的安全性(ケガをしない形状かどうか)、可燃安全性、化学的安全性(規制素材の有無、塗料の検査)からなっており、第三者検査機関によるこのST基準適合検査に合格したおもちゃだけに付けることができるマークです。
つまり、STマークの付いている玩具は、「安全面について注意深く作られたおもちゃ」と業界が推奨するものになります。 日本の主要メーカーのほとんどがこれに加盟しており、国内に流通しているおもちゃの7割に付けれらています。
又、STマーク契約者は賠償責任補償共済制度に加入しており、万一の事故に対して、消費者にとっても安心です。
■欧州の安全基準マーク「CE」について
欧州委員会(European Commission)が制定したニューアプローチ指令と呼ばれる「欧州共通の法律」に対して、対象製品が「製品の使用者及び消費者の健康と安全保護などを規定した各指令の必須要求事項」を満足していることを示すマークのことです。
つまりCEマーク=欧州(EU)法律で、この適合性に合格した証になります。「CEマークがついていない製品は輸入しない」という国もあるため、EU加盟国内で流通し取り扱ってもらうためには、このマークの取得は必須で、大変な重みがあります。